テーブルトークRPG(TRPG)の世界において、プレイヤーが操るキャラクターや、
ゲームマスターが提示するノンプレイヤーキャラクターの存在は、物語の根幹をなす要素です。
近年、ココフォリアをはじめとするオンラインセッションツールの普及により、
音声やテキストによる対話だけでなく、視覚的な演出がセッションに大きな影響を与えるようになりました。
用意した立ち絵、世界観を表現した背景、各種テロップなど、視覚情報が増えることで、
プレイヤーの脳内にある空想の解像度を補うことができます。
しかし、画像編集ソフトを使いこなしてディスプレイや紹介画像を作るには、
それなりの知識と時間が必要です。
本記事では、当サイト「創作マテリアル工房」で提供している無料のブラウザツールを活用し、
セッションの準備段階から終了後の思い出共有にいたるまで、
TRPGのセッションで使える具体的な画像活用テクニックについて解説します。
1. セッション前:キャラクターシートの数字を直感的な個性へ変換する
キャラクターシート of 作成は、TRPGにおける最初の楽しみであり、
同時に他のプレイヤーに自分のキャラクターを紹介するための重要な書類でもあります。
しかし、筋力や精神力、体格といった能力値が単なる数字の羅列として並んでいるだけでは、
そのキャラクターが具体的にどのような人物なのか、初対面のプレイヤーには伝わりにくいという課題があります。
この問題を解決するために役立つのがこの子どんな子?メーカーです。
このツールは、クトゥルフ神話TRPGなどのステータス数値を入力するだけで、
能力値のバランスをシステムが自動的に分析します。
例えば、高い精神力に対して低い筋力であれば、そのキャラクターの特徴に合わせた
キャッチコピーや二つ名、そして評価テキストを自動的に導き出します。
さらに、レーダーチャートが生成されるため、一目でそのキャラクターの長所と短所を
把握することが可能になります。
セッションが始まる前の段階で、このプロフィール画像をコミュニティやSNS、
または卓の事前共有用スペースに投稿しておくことで、
プレイヤー同士が互いのキャラクター性を事前に理解しやすくなります。
「このステータスなら、普段はこんな行動を取りそうだ」といった想像が膨らみ、
第一声のロールプレイからお互いの設定を合わせた会話が可能になります。
ステータスを可視化して魅力を伝えるプロフィールカード作成
この子どんな子?メーカーを使う2. セッション準備:正確な身長差を可視化して物語の臨場感を高める
物語の描写において、キャラクター同士の物理的な位置関係や視線の高さは、
状況をリアルに想像するための要素となります。
特に、バディもののシナリオや、複数の探索者が協力し合うシナリオにおいて、
キャラクター間の身長差は描写の参考になります。
そこで活用したいのが背くらべメーカーです。
お持ちのキャラクター立ち絵画像をアップロードし、それぞれの設定身長を入力するだけで、
システムが縮尺を合わせた身長差比較画像を自動生成します。
単に数字の上で数十センチの差があると認識するよりも、実際に画像として並んだ姿を見る方が、
プレイヤーにとってイメージがしやすくなります。
例えば、背の低いキャラクターが背の高いキャラクターを見上げる際の視線の角度、
あるいは現実の自動販売機や一般的なドアといったオブジェクトと並べることで、
キャラクターのスケール感を把握することができます。
この身長差画像をセッションツールの背景や共有メモ、あるいは情報項目として設定しておくことで、
ゲーム中の描写がより具体的になります。
「NPCに詰め寄られたときの感覚」や「狭い通路を駆けるときの体格の差」を
プレイヤー全員が共通の認識として持つことができるため、
ナレーションやロールプレイに活かすことができます。
立ち絵を並べて理想の身長差を実寸比率で再現する
背くらべメーカーを使う3. セッション中・長期卓:表情差分を整理して感情の動きを記録する
TRPGのセッション、特に秘匿情報が含まれるシナリオや、
数日間にわたる長期のセッションでは、物語の展開に応じてキャラクターの感情が動きます。
最初は笑顔だったキャラクターが、状況に直面して変化する顔、
あるいは仲間を守るために決意を固めた表情など、
様々な表情差分を用意しているクリエイターも多いでしょう。
これらの表情の変化を一枚の資料としてまとめることができるのが
立ち絵ショーケースです。
メインとなる全身の立ち絵を中心に据え、その周囲に喜怒哀楽の表情差分アイコンを
レイアウトすることができます。
デザインフレームも和風、水彩風、シンプルな枠線など、
シナリオの世界観やキャラクターの雰囲気に合わせてワンタップで切り替え可能です。
このツールで作成した紹介画像をセッション中に活用すれば、
自分のキャラクターがどのような感情のバリエーションを持っているかを同卓者に共有できるだけでなく、
セッション全体のログを見返す際の記念になります。
また、イラストレーターや同人クリエイターにとっては、自分が手がけた立ち絵のポートフォリオや
コミッションのサンプル画像としても活用できる一枚が完成します。
全身イラストと表情差分を美しく並べるショーケース
立ち絵ショーケースを使う4. セッション後:ネタバレに配慮した高品質な記録画像で思い出を形にする
シナリオを完走したとき、その記録を残したいと願うのは自然なことです。
SNSでの通過報告は、現在のTRPGコミュニティにおいてよく見られる方法の一つとなっています。
セッションの記録作成に役立つのが卓レコードメーカーです。
参加したキャラクターたちの立ち絵、シナリオのタイトル、システム名、
端的なキャッチコピーを配置することで、映画のポスターや、
雑誌の表紙のようなディスプレイ画像を生成することができます。
ここで重要になるのが、未通過のプレイヤーに対するマナー、
すなわちネタバレへの配慮です。
TRPGのシナリオは一度しか体験できない内容に満ちており、
生還したのか、ロストしてしまったのか、どのようなエンディングを迎えたのかという情報は、
これから遊ぶ人にとってネタバレになり得ます。
当ツールの伏せ字モードを有効にすると、
セッションの結果入力欄が自動的に黒塗りのシンボルへと変換されます。
これにより、シナリオの結果を隠しつつ、セッションの空気感や達成感を
表現した画像をSNSに投稿できるようになります。
マナーを守りながら、セッションの思い出を発信する際に活用できます。
映画ポスター風のセッション通過報告画像を簡単作成
卓レコードメーカーを使う5. 安心のセキュリティとブラウザ完結の利便性
どれほど便利なツールであっても、大切な未公開イラストや、
シナリオの秘匿設定が含まれるテキストデータを外部のサーバーにアップロードすることに
抵抗を感じる方は少なくありません。
情報漏洩や著作権のトラブルは、クリエイターやプレイヤーにとって避けたいリスクです。
創作マテリアル工房のすべてのツールは、完全クライアントサイド処理という仕組みを採用しています。
これは、読み込んだ画像データや入力した文字情報の合成処理が、
すべて皆様の手元にあるスマートフォンやパソコンのブラウザ内部だけで実行されるシステムです。
データが当サイトのサーバーに送信されたり、保管されたりすることは構造上、絶対にありません。
そのため、非公開の身内卓用イラストや、まだSNSに公開していない描き下ろしの立ち絵、
秘匿性の高いシナリオデータであっても、サーバーに送信されることなく利用できます。
6. まとめ
視覚的な演出は、TRPGという対話型のゲームにおいて、
体験を形にするためのマテリアルです。
創作マテリアル工房のジェネレーター群を活用することで、
レイアウト作業や編集の時間を短縮し、その分をシナリオの読み込みや
キャラクターの設定構築、転じてセッションの時間へと充てることができるようになります。
キャラクターの個性を数値から導き出し、身長差で実在感を高め、
表情差分で感情を表現し、レコード画像で思い出を締めくくる。
この一連のビジュアルワークを、ぜひ皆様の次回のセッションでも取り入れてみてください。
頭の中にあったイメージを形にする手助けとなります。
本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
(C)Chaosium Inc. / Arclight Inc. / KADOKAWA